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まずは、先週の物理(原子論)の問題の解答から。今回の問題は、良くモデルになる水素原子についての話です。解けることができるようにしておいて下さいね。
先週の問題 物理(原子論)
<問題>
水素原子は、電荷+eの原子核のまわりを電荷-e、質量mの電子がクーロン力で等速円運動しているものと考える。原子核の質量は、電子の質量より十分大きいため、原子核は静止しているものとする。 (1)定常状態で、ド・ブロイ波長λと軌道半径rの関係をプランク定数hを用いて求めよ。 (2)(1)の結果から、クーロンの法則の比例定数k、h、m、e、自然数nを用いて表せ。 (3)定常状態の電子のエネルギーEとイオン化エネルギーE’をh、k、m、e、nを用いて表せ。 (4)定圧の水素を入れた放電管から水素原子の発光スペクトルを測定したら、バルマー系列(励起状態からn=2の状態へ、電子が移るときのスペクトル系列)の中で一番長い波長が6.6×10-7mであった。高速を3.0×108m/s、h=6.6×10-34J・s、m=9.1×10-31kgとして、水素のイオン化エネルギーと基底状態における軌道半径を求めよ。 |
<ヒント>
(1)ド・ブロイの波λ=h/mvと定常状態では電子波は軌道に沿って閉じた定常を作るということを利用しよう。
(2)(1)と電子の運動方程式から考えよう。
(3)電子の運動エネルギーとクーロン力の位置エネルギーから攻めてみよう。
(4)今までのおまけです。
<解答>
(4)の実際、文字に数値を入れて計算する問題は、根性出してやるしかないけど、正直、これは、電卓を使わせて欲しいよね。
それでは、今週は化学。エステルに関する問題です。
今週の問題 化学(エステル)
<問題>
炭素、水素、炭素からなる分子量74の有機化合物A、B、Cがある。それぞれ、14.8mgを完全燃焼させたら、全て二酸化炭素26.4mgと水1.8mgを得た。化合物AとBは芳香を揮発性の水に難溶の液体で、化合物Cは、水に溶けやすく、弱酸性を示した。化合物Aを加水分解すると、銀鏡反応を示す酸性物質DとアルコールEを生じた。そのアルコールEを濃硫酸を加え、約170℃に加熱すると、気体Fが発生した。発生した気体に臭素水を通じると、臭素水の赤褐色は消えた。 (1)化合物A、B、Cの組成式と分子式を求めよ。 (2)化合物A~Fの構造式と名称を書け。 (3)化合物Dが銀鏡反応を示す理由を述べよ。 (4)文中の下線部の化学反応式を書け。 |
<ヒント>
(1)元素分析のお話なので、分子式=組成式×整数
(2)A、Bはエステル、Cはカルボン酸であることが問題からわかる。そして、還元性を示すカルボン酸なのでギ酸ですね。そこから、考えよう。
(3)Dはギ酸ですよね。
(4)付加反応ですよね。
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