酸と塩基②

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 前回に続き、酸と塩基。今回は、塩と中和滴定ね。塩は、酸の陰イオンと塩基の陽イオンが結び付いた物質なんだけど。種類と性質(酸性か?塩基性か?中性か?)は、無関係なのね。

 

 <塩の種類>

 酸性塩…化学式中にH+を含む

   NaHSO4 NaHCO3など

 塩基性塩…化学式中にOHを含む

   Cu(OH)Clなど

 正塩…化学式中にH+,OHを含まない

   NaCl NH4Clなど

正塩は、中性塩と言いたくなるけど、そうは言わないからね。

何故か?というと酸性塩だから、酸性ではないし、

塩基性塩だから、塩基ではないから。

では、塩の性質はどう判断するか?それは、加水分解の結果なのよ。

以下、その結果を示すね。


 <塩の性質>

  • 正塩の場合

  強酸+強塩基の塩⇒中性

  強酸+弱塩基の塩⇒酸性

  弱酸+強塩基の塩⇒塩基性

  弱酸+弱塩基の塩⇒?

酸と塩基は真逆の性質。数直線でいうと正と負なの。

中和反応は、それを打ち消し合うものなのね。

その結果、できた塩は、酸と塩基の強さに影響をうけるの。

これで塩の性質は決まるのよ。

弱酸+弱塩基の塩の場合、一概に、弱酸、弱塩基と言っても、

どちらが強いの?で決まるから、組合せによって違う事になるのね。

  • 酸性塩・塩基性塩の場合

 加水分解の反応を考えればよい。

 そうは言っても、問題に出てくるのは、はっきり言って2つしかない。

  ①NaHCO3の場合

   NaHCO3→Na++HCO3

   更に、HCO3→CO2+OH 

   (炭酸イオンCO32-は不安定。その証拠にCO32-は、CO2(気体)となりやすい。

   OHが放出されるから、塩基性になるわけよ。

  ②NaHSO4の場合

   NaHSO4→Na++HSO4

   更に、HSO4→SO42-+H+

   (硫酸イオンSO42-は超安定なの。その証拠に、硫酸は強酸でしょ。)

   H+が放出されるから酸性なの。

     


     <中和滴定>

     濃度Ca[mol/l]、体積Va[ml]、価数naの酸と

     濃度C[mol/l]、体積V[ml]、価数nの塩基が

     ちょうど中和するとき、以下の関係式が成り立つ。

       Ca×(Va/1000)×na=Cb×(Vb/1000)×nb

    左辺・右辺の色つきの部分は、濃度[mol/l]×体積[l]なので、

    それぞれ酸・塩基のモル数だよね。

    そこに価数をかけるから、

    左辺は、H+のモル数。右辺はOHのモル数になる。

    すなわちH+のモル数=OHのモル数を意味するの。

    この式は、酸・塩基の強弱には関係なく成り立つの。

    弱酸・弱塩基(電離が小さい)でも、H+やOHが消費されれば、

    化学平衡を考えても、電離が進んで、H+やOHがどんどん作られるわけね。

    (あとで、化学平衡は説明するね。)

    だから、結局、酸・塩基がもつH+やOHは全部使われるわけですよ。

    昔、このことをある生徒が、ゾロゾロの法則って言ってたけど、

    (あとからゾロゾロやってくるという意味)上手いこと言ったと思いましたよ。
     そんなわけで、化学平衡は、あとで絶対説明します!!次回は、数学やります。積分しましょうか!置換積分と部分積分をしましょう。

     

     

     

     

     

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