生徒作文⑫

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無限語源作文

 「ポン酢」の語源を知っていますか?少し考えた後、あなたはこう答えるんじゃないんでしょうか。「ポンカンのポンとお酢の酢でポン酢だっ!」と。残念ながら、答えはNOです。まあ、誰だってそう答えてしまいますよね。「ポン」と「酢」で「ポン酢」。一見簡単そうに見えますが、そんなに単純ではないのです。「ポン酢」はオランダ語で特定のアルコールや柑橘類を表す、「pons」から来ています。そしてその「pons」も、大元をたどるとサンスクリット語で5つを意味する「パンチャ」が語源だと言われています。

 とまあ、たかがポン酢でもこれだけの語源があるのです。いや〜深いですね。こんなの知ってしまったら片っ端から調べるしかありませんね!ね!

 はい。前置きが長過ぎましたが、要は「語源ってすごいね。使ってるんだから調べたほうがいいね。」ということです。ここからは私が知ってしまった、「マジか!?」と驚くような語源を持つ言葉たちを紹介させていただきます。

 先に言っておきますが、語源については諸説があるものがほとんどな上に、私個人の考えも思い切り入れています。上の「ポン酢」も含め、正しいかどうかは分かりませんので、そこのところよろしくお願いします。

 まずはベタなものから。「サボる」は何から来ているのでしょう。当然、知ってますよね。その通り、フランス語で「破壊行為」を意味する「サボタージュ」から来ています。これは労働争議の一部として実施される破壊行為です。「団体行動権」とかみたいなものです。きっと。まあ、おそらく「ストライキ」で働かないのを見て、「サボタージュ」に行動を示す「〜る」をくっつけたものだと思います。たぶん。

 どんどん行きましょう。次は「ムショ」です。「刑務所」の略語として使われていますが、語源的関係はありません。はい。関係があるのは、「監獄」を意味する「虫寄せ場」または「六四寄せ場」であり、これは牢が虫かごのようであったことからだったり、牢屋で出る飯が麦:6、米:4であったことに由来すると言われています。これは、「監獄」を「刑務所」と解消する前からあったため、どちらかといえば「ムショ」から「刑務所」を連想し、それの省略形だと言われるようになったというのが正しいです。おかしな話ですが。

 次。「あくどい」。たまに「悪どい」と漢字で書こうとする人がいます。見たことはありませんが。「あくどい」は、ものごとが度を超えていていやな感じを受ける場合に用いる語で、それが色だったり、味だったり、やり方だったり、性格だったりするわけです。そこから考えると「あく」を「灰汁」と考えるのが、普通だと思います。

 ちなみに、「あくどい」を接頭語「あ」+「くどい」とする辞書「大言海」もあったりしますが、それで「灰汁」を引くと、「アクドシのアクか」といっています。これだと、「あ・くどし」が「あくどし」になり、それから「あく(灰汁)」という語が生まれたことになってしまいます。少しおかしい気がしますね。それはさておき、少なくとも「あく」は、「悪」ではないということは確かです。

 さて、まあここまで長々と「語源」の面白さ、魅力について書いてきましたが、「面白かったなぁ。」というのが私の率直な感想です。日常ではあまり気にかけないでいるかもしれませんが、調べてみれば、こんなにも興味深いものがそこら辺に転がっています。

 さあ、探しに行きましょう。

塾長の感想

 言葉の語源というのは多くの人はあまり気にしないと思います。僕もその一人です。普段、何気なく普通に使うもの対して、その起源や構造を考えないものです。電気機器を使うとき、その回路の事を考える人はほぼ皆無でしょう。そういう盲点を突いた文章ですね。「あ~なるほど」と感心と驚きで楽しく読めました。語源は諸説あることが多く、どれが正しいのか分からないこともあります。言葉には意味があり、言霊という言葉がある通り、言葉を大切にして行かねばと思いました。とても良い文章をありがとう。

会場写真

 

 

2022.11.7撮影

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