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中学では、アルカリと習ったのに、高校では、それを塩基という。何なんだろうね、あれ。僕は、化学専攻の学生だったけど、大学で「アルカリ」なんて言わないよ。塩基だよ。英語だって、アルカリではなくベースだよ。Base!個人的には、中学で、アルカリっていう表現を廃止して欲しいって思う。
前置きが、長くなったけど、酸と塩基。2回に分けて、説明します。まず、定義ね。以下、二つある。
<アレニウスの定義>
酸:水中で電離してH+(水素イオン)を放出する物質 塩基:水中で電離してOH–(水酸化物イオン)を放出する物質 酸: HA→H++A– 塩基:BOH→B++OH– 中和:HA+BOH→AB+H2O 酸と塩基が反応すると、 塩(酸の陰イオンと塩基の陽イオンの化合物)と水が生成される。 |
<ブレンステッド・ローリーの定義>
酸:H+を放出する物質 塩基:H+を受け取る物質 酸: HA→H++A– 塩基:B+H+→BH+ 中和:HA+B→A–+BH+ ちょっと、わかりづらいとは思うけど、 これは中和反応というのは、「水素イオンのやりとりだ」 という解釈をしたことになる。 |
ブレンステッド・ローリーの定義は、着目するのを2つのイオンではなく、水素イオンひとつに絞って、簡素化したものなのね。その結果、広い範囲で適用することができる。例えば、NH3+HCl→NH4Clの反応は、アレニウスの定義では、酸・塩基の反応としては、説明できないけど、ブレンステッド・ローリーの定義では、説明できるよね。
因みにだけど、ほとんどの教科書や参考書では、「ブレンステッドの定義」と書かれていて、ローリーの名前はないと思う。「解体新書を翻訳した人は?」の質問に、杉田玄白と答えられるけど、
前野良沢の名前がなかなか上がらないのと一緒なの。そんな理由で、ローリーさんの功績も称える意味で、ここでは、ローリーと入れたのね。
<酸・塩基の強さと価数>
電離度がほぼ1⇔強酸・強塩基 離度がほぼ0⇔弱酸・弱塩基
酸HClは1価、硫酸H2SO4は2価になりますよ。
はっきり言って <強酸> スルホン酸R-SO3H、硫酸H2SO4、硝酸HNO3、 HF以外のハロゲン化水素、過塩素酸HClO4 これら以外は、弱酸 <強塩基> アルカリ金属とアルカリ土類金属の水酸化物 これら以外は弱塩基 と覚えておけば、大学入試では問題ないです。 |
中和で、生成される塩、そして中和滴定は、次回に説明するね。
化学、物理、数学などの理系科目は、定義・定理が非常に大切ですから!!そこは、正しく理解して下さいね。
その定理・定義は正しいという事実(間違ってはいない事実と言った方が良いかも)の積み重ねで、成り立っているものですから。
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