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化学は、濃度計算が出来ないと、OUT。小中学生のとき、パーセント濃度しか扱っていなかったのに、高校生になって、モル濃度とか質量モル濃度とか言われても…。という気持ちは十分わかりますよ。化学反応で重要なのは、原子・分子・イオンの数なんですよ。その反応の場で、どの物質がどれだけの数あるか?質量ではなく、物質量が大事なのです。
原子量・分子量・式量は物質によって異なるので、物質量[mol]=質量[g]/式量[g/mol]を使って数で表します。そもそも「1mol=アボガドロ数個の集団」といきなり言われても…。ですよね。それは、物質によっては大きさが異なりますが、原子・分子の大きさは0.00000001[cm]=10-8[cm]=1[Å]程度なの、光の波長より小さいのよ。絶対、肉眼で確認するのは無理だし、そもそも化学反応というのは、原子・分子の衝突がないと起こらないのよ。だだっ広い砂漠でも海でもいいんだけど、そこにいる離れた人間二人が出会えますか?ものすごく確率低いですよね。
そうなんですよ!化学反応は原子・分子がウジャウジャいないとダメなんですよ。1秒間に数千回、数万回、いや数億回、それ以上かもしれない。そのくらいの頻度でお互いがぶつかり合わないと反応は起きないの。その衝突それぞれを検証するのではなく、全体を見ているのが化学という分野なのね。
1mol/lって、1l中に約60000000000000000000000個の原子分子がいるってことなの。これをひとつひとつ見てるのはちょっと大変すぎるので、集団を見ようって考えが化学の視点なのね。つまり、化学というのは、1個や2個の原子分子の振る舞いを見ている学問ではないの。(勿論、大学では、そこを研究する学問もある。)目に見えるレベルの集団を扱っているんですよ。だから、[mol]という単位が中心なのね。
以下、濃度の定義を示しますから、化学をする人は絶対、覚えて下さい!!
濃度 | 単位 | 定義 | 用途 |
パーセント濃度 | % | 溶液の質量[g]に対する溶質[g]の質量の割合 | 高校化学以降あまり化学の分野では使わない。 |
溶解度 | ー | 溶液100gに対して、溶質の溶け得る質量[g] | これも、あまり使われない。 |
モル濃度 |
mol/l |
溶液1lに対する溶質の物質量[mol] |
中和滴定・酸化還元滴定など、多くの化学計算はモル濃度を使う。 |
質量モル濃度 (重量モル濃度) |
mol/kg | 溶媒1kgに対する溶質の物質量mol | 沸点上昇・凝固点降下など。 |
この濃度変換は計算できるように練習しないとダメですよ。
定義は必ず暗記です。次回は、「酸と塩基」をやりましょう。
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