酸と塩基①

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 中学では、アルカリと習ったのに、高校では、それを塩基という。何なんだろうね、あれ。僕は、化学専攻の学生だったけど、大学で「アルカリ」なんて言わないよ。塩基だよ。英語だって、アルカリではなくベースだよ。Base!個人的には、中学で、アルカリっていう表現を廃止して欲しいって思う。
 前置きが、長くなったけど、酸と塩基。2回に分けて、説明します。まず、定義ね。以下、二つある。
 

 <アレニウスの定義>

 酸:水中で電離してH+(水素イオン)を放出する物質

 塩基:水中で電離してOH(水酸化物イオン)を放出する物質

   酸:    HA→H++A

  塩基:BOH→B++OH

  中和:HA+BOH→AB+H2O

 酸と塩基が反応すると、

 塩(酸の陰イオンと塩基の陽イオンの化合物)と水が生成される。

 


 <ブレンステッド・ローリーの定義>

H+を放出する物質

塩基H+を受け取る物質

  酸: HA→H++A

 塩基:B+H+→BH+

 中和:HA+BA+BH+

ちょっと、わかりづらいとは思うけど、

これは中和反応というのは、「水素イオンのやりとりだ」

という解釈をしたことになる。

 


 ブレンステッド・ローリーの定義は、
着目するのを2つのイオンではなく、水素イオンひとつに絞って、簡素化したものなのね。その結果、広い範囲で適用することができる。例えば、NH3+HCl→NH4Clの反応は、アレニウスの定義では、酸・塩基の反応としては、説明できないけど、ブレンステッド・ローリーの定義では、説明できるよね。
 因みにだけど、ほとんどの教科書や参考書では、「ブレンステッドの定義」と書かれていて、ローリーの名前はないと思う。「解体新書を翻訳した人は?」の質問に、杉田玄白と答えられるけど、

前野良沢の名前がなかなか上がらないのと一緒なの。そんな理由で、ローリーさんの功績も称える意味で、ここでは、ローリーと入れたのね。

 

 <酸・塩基の強さと価数>

  • 酸と塩基の強さは、電離度(電離する割合)で決まる。

  電離度がほぼ1⇔強酸・強塩基

  離度がほぼ0⇔弱酸・弱塩基

  • 価数…1molの酸・塩基が何molのH+又はOHを電離できるか?ってこと。

  酸HClは1価、硫酸H2SO4は2価になりますよ。

  • 酸・塩基の強さと価数は無関係ってことは覚えておいてね。

 はっきり言って

 <強酸>

 スルホン酸R-SO3H、硫酸H2SO4、硝酸HNO3

 HF以外のハロゲン化水素、過塩素酸HClO4

  これら以外は、弱酸

 <強塩基>

 アルカリ金属とアルカリ土類金属の水酸化物

  これら以外は弱塩基

と覚えておけば、大学入試では問題ないです。

     


     中和で、生成される塩、そして中和滴定は、次回に説明するね。
     化学、物理、数学などの理系科目は、定義・定理が非常に大切ですから!!そこは、正しく理解して下さいね。
     その定理・定義は正しいという事実(間違ってはいない事実と言った方が良いかも)の積み重ねで、成り立っているものですから。
     

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