- カテゴリ
地球という稀な星
系外惑星の発見と地球外生命体の存在!?
「宇宙人もしくは地球外生命体が存在するか?」と聞かれたら、私は、願望と推測を込めて、「きっと、存在する。」と答えます。それが、真実であるのか、現在の科学観測では、実証されていませんが、観測技術が驚異的なスピードで発達し、恒星だけではなく、系外惑星(太陽系以外の惑星)の存在を確認できるようになりました。これは、地球から見て、恒星の前を惑星が通過すると、恒星からの光を惑星が遮るので、ほんの少しだけ暗くなることを利用しています。恒星が発する光の色から恒星の質量や大きさが分かるため、この明暗の差や周期を測定して、惑星の公転周期、大きさ、質量を導くのです。例えるなら、数キロメートル先の電灯の前を小さな虫が横切ったのを感知するようなものです。科学者の中でも、「存在する。」と発言する人は多くいます。只、それが人間と匹敵するほどの知的生命体か?人間以上の高度な技術、文化を持った宇宙人か?と言われると、懐疑的に思っている人が多いそうです。個人的には、広大な宇宙には人間と同じかそれ以上の知的生命体は存在するとは思います。でも、地球とは距離がありすぎて、お互いが存在を確認するには至っていないと考えます。でも、原始的な生命体は、太陽系に存在しても不思議ではないと思っています。木星の衛星エウロパや土星の衛星タイタンには、存在する可能性があると昔から言われています。それはともかく、無数の偶然が重なって、地球に生命が存在する環境が作られたのは、事実です。まさに、地球は、奇跡の星なのです。
ハビタブルゾーンとは?
同じ太陽系でも、金星と火星も、ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)と言われています。ハビタブルゾーンとは、恒星から程よい距離にあり、十分な大気圧がある環境で、惑星表面に液体の水が存在することが可能な範囲のことです。恒星が発する熱量と惑星との距離によって決まります。近すぎれば、水は液体ではなく蒸発して水蒸気になり、恒星風(恒星が発する高速のプラズマ)が惑星に当り、水を宇宙空間に放出させてしまいます。又、遠すぎれば、水は固体である氷として存在します。又、大気が十分でないと、昼夜の温度差が数百度違うことにもなり、(水星は最高430°、最低-180°だそうです。)とても生命がその温度差に耐えられるとは思えません。人間など、50℃の温度差でも生きていけません。
金星も火星も地球と同じでハビタブルゾーンだが…
金星の場合
金星は、灼熱の地獄のような星、火星は、赤茶けた死の星と言われています。金星の場合は、火山活動で排出された二酸化炭素を地中や海に取り込むことができず、その温室効果により、温度が400℃以上、大気圧が100気圧に近く(この大気圧下では、自動車のボディーは潰れます。)、又、火山活動も活発なため(常時噴火している。)、その噴出物の中に含まれる硫黄により、硫酸の雲が作り出され、濃硫酸が激しく地表に降り注ぐ過酷な環境になりました。(濃硫酸とは、危険な薬品で、もし扱うことがあれば、本当に注意して下さいね。肌に触れると、火傷を負いますし、目に入れば失明してしまいます。)二酸化炭素の厚い大気に覆われているため、天気は常時、曇りです。その雲が、太陽の光を乱反射するため、今が昼だか、夜だか、朝だか、夕方だかわからないと言います。とても、生物が住むことができる環境だとは思えません。
地球は?
その点、地球は、火山活動で噴出した二酸化炭素を海(水)が取り込み、岩石(炭酸塩)として固定し(これが海底プレートや大陸プレートになったと言われています。)、大気中の二酸化炭素濃度を抑制できたため、金星のような温暖化現象を回避して生命誕生が可能な状況になったのです。そして、ほどよい大気圧なので、晴れれば空が青く見えるのです。昼と夜の区別がつくのです。
火星の場合
一方、火星は太古の昔(数十億年前)、水や大気も地表に存在したようです。その証拠に、マリーナ渓谷と呼ばれる深さ約7㎞の渓谷があり、その深さはアメリカのグランドキャニオンの約10倍です。これが水が存在し、水が流れたことで形成されたと言われています。又、太陽系で一番高い山オリンポス山(標高約24,000m、今は死火山の様です。)があり、その高さはエベレストのおよそ3倍です。そのオリンポス山は、6,000mの高さの絶壁が聳えています。もしかしたら、その絶壁も水が山を削って出来たものかもしれません。火星の場合、惑星としての質量が足らず、太陽風(太陽から常時発生するの放射エネルギー)が、火星の重力による地表に水や大気を保持する力を上回り、蒸発してしまったとされています。
地球は?
太陽から地球より遠い火星が太陽風の影響を大きく受けて、死の星となってしまったのに対し、地球は、マントルが対流することによって(そのため、プレートが動くというプレートテクトニクスが起こる。)地球内部の中心の核(金属)のまわりの液体金属が、磁場を発生し、地球自身が磁石となり、その磁力線が太陽風からのバリアの役目を果たしていると言われています。火星には、磁場がないため、生命は太陽風によりDNAの損傷を受け、またそれを回避するための水深がある海が存在しないため、生命が維持するには不可能であるとされています。つまり、火星は、磁場がないこと、惑星として、大きさが小さすぎたことが、生命が存在するための条件を満たせなかった要因です。
木星も地球の生命のためには必要不可欠!?
又、木星という巨大惑星(太陽を除く太陽系の全質量の約2/3)が、地球の外側に存在しているため、火星と木星の間にある小惑星、天王星や冥王星の外側から地球に向けて訪れる彗星は、木星の強大な重力により、木星に引き寄せられ、地球との衝突を避けています。恐竜の絶滅も、小惑星の衝突が原因であるという説が、強く支持されていますが、このときのことをバッド・ジュピター(Bad Jupiter)と言い、小惑星帯にある大きな隕石が木星でなく、地球に落ちてしまうという約一億年に一度の割合で起こると言われている現象です。一億年に一度の失敗をバッド・ジュピターと言われてしまう木星の立場を思うと、年に幾度となくミスをしている自分からすれば、かなり複雑な心境になります。ともかく、木星が存在していなければ、地球は、何度も危機的状況を迎えたことは確かでしょう。
「緑の星、地球」「軌跡の星、地球」の理由
そして、地球は、緑の星を言われていますが、それは太陽の大きさと地球との距離がバランスよく調和したためなのです。もし、太陽の光が、今より弱ければ植物の葉緑体の働きは弱くなり、植物は赤色に、今より強ければ、葉緑体の働きが活発になり、青色になるそうです。植物体が受ける光のスペクトルが、植物体の色に反映されるそうです。
そうした諸々なことが奇跡的に重なり、又、地球の環境変化と生命の進化の過程での偶然と言える作用により、今があると言えます。今、ここに自分や自分の周りに生命が存在するということを感じ、大切にしたいし、して欲しいと思います。自分は、ダメとか思わず、この自分が存在しているという奇跡を素直に受け入れて、自分を好きになり、自分の周囲の人達にも感謝を忘れずにいて欲しいと思います。
地球という星から思うこと
私も、この年齢になっても、感謝の言葉を素直に言えなかったり、八つ当たりをしてしまったりとあります。若い頃は、尚更、周囲への感謝が薄く、自分の置かれている恵まれた状況が、当たり前と考えていました。そのため、冷たい言葉を浴びせたり、お礼の言葉を言えなかったりと、少なからず後悔していることもあります。
生徒達には、そう言った苦い思いを未来にしない様に、人との出会いを、関わりを大切にして、毎日、楽しく、生き生き、前向きに生きて欲しいと思っています。