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オンライン化が進んだら?

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オンライン化が進んだら?

今週も小中学生には難しい話でごめんなさい。

オンライン化の進展は、更なる格差を生む 

 結論から言うと、オンライン化が進んだら、経済格差も学力差も広がる一方になると思う。何故なら、働くとは何か?と言う根本的なことが、今までとは違ってくるようになるからだ。新型コロナウィルス感染拡大防止のために多くの企業が導入したテレワークも、働き方や、働くことへの価値を大きく変化させるものである。そのテレワークは、色々なものの価値観を大きく変えるであろう。

テレワークの導入 

テレワークの導入率 

 東京都が実施した3月の調査では、従業員30人以上の都内企業のテレワーク導入率は24.0%だったが、4月の調査では、62.7%だったと言う。1カ月で2.6倍に大きく上昇したわけである。従業員規模別に見ると、規模が大きくなるにつれて、導入率も高くなる傾向が見られる。300人以上の企業の導入率は79.4%、30~99人の企業は54.3%と言う結果であるが、小規模企業でも導入が進んだことがわかる。また、業種別に見ると、事務・営業職が中心の情報通信業、金融業などの導入率は76.2%。現場作業や対人サービスが中心の小売業、医療・福祉業などの導入率は55%であった。この結果は、業種を問わず導入が拡大している状況を表してる。

テレワークとは?

 テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方である。「在宅勤務」をイメージする方が多いかもしれないが、外出先で空き時間に仕事をする「モバイルワーク」や、本来の勤務先以外のオフィスで仕事をする「サテライトオフィス勤務」なども含まれる。テレワークのメリットについて、厚生労働省による調査では以下の通り報告されている。

テレワークのメリット・デメリット

従業員の感じるメリット

  • 家族と過ごす時間や趣味の時間が増えた
  • 集中力が増して、仕事の効率が良くなった
  • 自律的に仕事を進めることができる能力が強化された
  • 職場と密に連携を図るようになり、これまで以上に信頼感が強くなった
  • 仕事の満足度があがり、仕事に対する意欲が増した

企業が感じるメリット

  • 優秀な人材の確保や雇用継続につながった
  • 資料の電子化や業務改善の機会になった
  • 通勤費やオフィス維持費などを削減できた
  • 非常時でも事業継続でき、早期復旧もしやすかった
  • 顧客との連携強化、従業員の連携強化になった
  • 離職率が改善し、従業員の定着が図れた
  • 企業のブランドやイメージを向上させることができた

従業員の感じるデメリット

  • 集中力持続が難しい
  • 公私のメリハリがあいまいになりやすい
  • 社内コミュニケーションは出社している時ほど円滑でない
  • ある程度自分で仕事をマネージメントできるレベルでないと有効なテレワークは難しい

企業の感じるデメリット

  • Wi-Fi環境やモバイル機器が必須である
  • 社員の勤怠管理が難しい
  • 共通の評価基準を設けにくい
  • 情報漏えいのリスクも高まる

自分で自分をコントロールできない人はテレワークが難しい 

 従業員の感じるメリット・デメリットに着目して欲しい。これって、能力が高くて、自分で自分をコントロールできる人じゃないと、テレワークは難しいと言っているのと同じです。能力の高さは、鍛えれば上がるものなので、自分でスキルを磨いていけば良いだけの話だが、自分で自分をコントロールするのは難しいと思う。僕自身も、仕事に根を詰め過ぎて、肉体的にも、精神的にも、自分をすり減らししてしまうこともあるし、逆に、手を抜きたくなるときもある。僕の場合は、自分が経営者だから、会社が要求するハードル=自分がやらばければいけない仕事のレベルの関係だし、疲れてしまったら、今は、休息すべきときとか、ここはしっかり気合を入れてやり切ってしまわなければとか、自分で判断できる。こういう判断ができる人は、実は、一部だけのような気がする。上司や部下や同僚と、きちんとコミュニケーションを取り合うことが出来て、自分がやること、相手がやることを明確にし、共通な約束事をきちんと守れる人物でないと、難しいと思う。テレワークでなく、会社内で一斉に仕事するならば、共通の約束事をきちんと認識できない人、約束事を守れない社員がいても、その社員を教育・管理し、仕事をさせることができるが、テレワークでは、正直、それは難しいし、やろうとすれば逆に、非効率的になると思う。そんな社員は、無視して、仕事をきちんとできる人達だけで進めた方が生産的だし、効率的だと考える会社もあるだろう。仕事への責任や意識が低い社員は、会社で居場所がなくなってしまうだろう。又、逆に、頑張りすぎて仕事を一人で抱え込み過ぎない様にもしなければならない。その辺りの仕事の質や量による社員への配分は、企業の管理職にとって、とても難しい問題だと思う。テレワークではないが、5月に行ったリモート授業でも、約束事を守り、きちんと学習する生徒と、そうでない生徒がいたのも事実だ。子供である生徒と大人である会社の社員の比較は、確かに乱暴であるが、自分で自分をコントロールして、レベルアップを考える人間と、約束事など平気で無視する人間がいるのは、どこの世界でも同じだと思った。勿論、塾生全員が、約束事を守れるように塾長として、管理や工夫もしたが、正直、結構、手間なのである。学習塾の場合、それも仕事の一環であり、指導する相手が顧客で、料金を頂いているから、採算は合う。給料を払っている社員に、手間暇かけて教育し、採算が合う様にするのは会社として当然だし、仕事に対する責任感も、向学心、向上心もない社員を目の前に置いて管理・教育するのは会社側の努力と工夫で可能であるとは思うが、テレワークでは、ほぼ不可能であり、採算は絶対に合わないと思う。

「仕事の評価は時間ではなく、内容や結果を重視」へ

 そして、仕事の評価も、会社に出勤すれば、タイムカードで労働時間を管理し、管理職である上司が、目の前で働く社員を査定することも可能であるが、テレワークでは、そうは行かない。そもそも、労働時間とは何ぞや?と考えなければいけないかもしれない。只、会社に拘束される時間なのか?それとも、労働は時間ではなく、内容を評価するのか?このことを従業員も会社も考えて行かなければならないのかもしれない。テレワークやオンライン化が進めば、労働の評価は、時間に関係なく、内容や結果に重きを置かれるようになるのは明らかだと思う。そうなれば、給料はどうなるだろうか?質の高いものを短時間で仕上げる人は、高い給料になるだろうし、そうじゃない人は、低い給料になってしまう。同じ仕事を同じ質で、2時間で完了する人と6時間で完了する人がいれば、単純に、前者は後者の3倍の仕事をできることになるし、同じ仕事をしたとしても、前者は後者に比べて4時間の時間が余る。その4時間をプライベートな時間にも、自己のスキルアップのためにも使えるのである。そうなれば、2人の能力差は広がる一方になる。確実に、経済格差は生まれるのである。

経済格差だけでなく、学力格差も更に広がる

 同じ様に、子供の学習でも、学力差は広がって行くだろう。一人一台のパソコンを導入すること自体は、新型コロナウィルスへの対応や、これからの仕事の在り方を考えれば、やらなければ、日本は世界に取り残されてしまうと思う。ただ、2つの面で問題がある。ひとつは、意識の問題である。パソコンがあるだけでは、どうにもならない。生徒はどういう意識で、パソコンをどう使うのか?これは、個人の意識の問題だ。もうひとつは、ネット環境とパソコンのスペックの問題だ。各家庭でネット環境や端末が整っているのか?整っていなければ、パソコンは単なる箱である。これは、行政側も頭を抱える問題かもしれない。そして、生徒一人一人に支給されるパソコンは、1台あたり約5万円だそうだ。5万のパソコンの性能、堅牢性はどの程度だろうか?と疑念がある。僕は、性能に関しては、学校で生徒全員が扱う程度のことであれば、5万円あれば大丈夫だと思う。それよりも、小学生や中学生がパソコンを持ち運びするのに、落下させたり、雑に扱ったりするだろうことが心配だ。それに耐える、頑丈さこそが、支給予定のパソコンには求められるだろう。兎も角、生徒個人が、パソコンを扱える環境にあるのか?向学心があり、意識を持てるのか?が問題である。環境の問題は、完璧でなくても、学校と言う施設があればある程度は解決できると思うが、個人の意識の差による、学力の格差は、オンライン授業化が進めば、現状よりも更に広がる。この学力格差は、止められるものではないと思う。

格差が広がっても、卑屈になってはならない 

 格差は更に広がる。そういう世の中で、自分がどうあるべきか、考えて行かなくてはならない。只、格差は広がっても、誰もが生活に困らない世の中ではあって欲しいし、そういう未来を作って行くことに、僕も協力したいと思う。誰しもが、何か、世の中の役に立てるような仕組みや体制を作って行かなければ、一部の人間だけが人生を享受する奴隷社会が出来上がってしまう。そんな未来は、絶対にあってはならない。そのためには、一人の人間が、自分の才覚で勝負できる場所をもっと増やすべきだと思う。格差自体が止まらなければ、多様な価値観、多様な社会を作って、多くの人が前を向き、勝負できる社会を作るべきだと思う。勝負する気概は、各々持つべきだし、卑屈にならず、捨ててはならない。それが個人の責任だと僕は言いたい。

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