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コロナ禍
「明日から一斉休校になります。」中学三年生の卒業式間近の春、僕が聞いたのは衝撃の一言だった。一度聞いただけでは理解が追い着かなかったが、もう一度帰りのホームルームで先生から詳しく聞いてようやく分かった。つまりは、「新型コロナウィルス」の感染拡大を防ぐための措置なのだ。そうなる卒業式はどうなるのか。その時の僕たちの最大の疑問だった。そんな疑問を抱えたまま翌日からの休校期間を過ごしていると、ある日学校から卒業式の概要のメールが僕の携帯へ届いた。メールの内容を確認すると、「卒業式は予定より一週間延期し、保護者は一家族一名まで。」となっていた。複雑な気持ちだった。本来ならば僕たちの中学最後の晴れ舞台、親も楽しみにしていたはずだ。だが、延期になり行くことができる人数も限定されてしまった。どれもこれもみんなコロナウィルスのせいだった。だが、この「コロナウィルス」の脅威はこんなものではなかった。
複雑な気持ちで迎えた卒業式も最後は笑顔で終えることができた。あとは春休み明けの高校入学を待つだけだと期待に胸を膨らませていると、恐れていた連絡が高校からメールとして届いた。「入学式は延期し、それまで家庭で学習すること。」という事だった。ここで初めてコロナウィルスの恐ろしさを体感した。一つの小さな菌が社会や僕たちの生活にもこんなに大きな災害をもたらすものだと。そして、また第二の休校期間が始まり、最初の一ヶ月弱は一週間に一度学校に課題を取りに行き、その一週間後に提出しに行く、というのを繰り返した。そんなことに飽き飽きしていると、やっと「時間分け登校」が解禁された。僕の学校では、前半の一番から二十番が午前中、二十一番から四十番が午後登校だった。僕は四番だったため、午前に登校した。教室に入ると見たことのない生徒ばかりだった。良く考えてみると、これはおかしいことだった。コロナウィルスの感染拡大がなければ、この頃にはクラスの生徒たちと仲が深まり、楽しい学校生活を送っているはずだった。そんな思いの中、時間分け登校を続けていると、七月の初めの頃にようやく一斉登校が解禁された。僕の心は歓喜に満ちた。そして、ホームルームで自己紹介をし終えた後、一つの違和感に気が付いた。いわゆる「午前組」と「午後組」の間に大きな距離があったのだ。
今は、生徒間の距離も全くなくなり、一人一人が個性を生かして毎日生き生きと生活している。まるで、あの「暗黒の四ヶ月」と呼ぶべき期間がなかったように。このようなことは小学校や中学校、大学でもあっただろう。ひとつの小さな菌の感染拡大が人々の生活だけでなく、心や体にも大きな影響を与えるものだということを実際体験して、落胆し絶望した。こんなことは以後あってはならないと強く思う。
高校生
次回も生徒作成文章です。
次回のTotal Academy「Le journal」も生徒作成文章です。新型コロナウィルス感染拡大の第三波により、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、栃木県、愛知県、岐阜県、大阪府、兵庫県、京都府、福岡県の11都府県に2回目の緊急事態宣言が下されました。コロナ禍は、あと2.3年は続くと言われています。現在、1日の新規感染者数はピークを越えた感がありますが、まだまだ安心できません。そして、誰がいつ感染してもおかしくない状況であることは変わりません。だからこそ、皆さんも、感染拡大防止のために注意を払って行動しましょう。と、同時に、自粛によるストレスを感じないように、少しでも軽減できるよう趣味や楽しみを見つけて行動しましょう。心が折れてしまうのが、一番辛いことです。楽しく、明るく、元気に、健やかに過ごせるようにお互い頑張りましょう。