時間の流れ

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時間の流れ

 今回は、中学生に向けて、時間の流れる速度について話したいと思います。読むのが面倒臭くなると思うので、短めに書きますね。

時間は、平等に与えらたものなのか?

一定時間でできることが人によって異なる。 

 「時間は、全ての人に平等に与えられたものである。」と言う人がいるが、僕はそうは思わない。1日24時間で、1時間は60分、1分は60秒、これは誰から見ても変わらないし、地球の自転速度からそう定義されている。その観点から見れば、平等と言ってもいいだろう。しかし、同じ1時間でも、濃密な1時間もあれば、希薄な1時間もある。1時間きっちり、何かの練習をするとき、ハードなことを数多くできる人もいれば、その半分もできない人もいる。能力の差で、与えられた同じ長さの時間が、全く質の違うものになってしまうわけである。同じ1時間内で、できることの質と量が異なってしまう。これは、もう平等とは言えないだろう。生まれ持った天賦の才が全てを決めるわけではないが、それが大きく影響するのも事実である。只、僕が言いたいのは、才能があるから、ないからの話ではなく、時間をどう捉えるべきか?を言いたいのだ。

能力が高い人ほど、更に能力を高めやすい環境に身を置くことができる。

 一定時間内の濃淡については、これは本人のトレーニング次第である程度は何とかなる。人間は環境や作業、動作に慣れるもので、スポーツでも勉強でもやれば必ず能力は向上する。勿論、加齢、スランプ、メンタル面の問題等で能力が低下することはあるが、能力が上がれば、ハードトレーニングができるようになる。1時間に簡単な問題を2問くらいしか解けなかったのが、難問を5問も解けるようになるものなのだ。個人個人の差はあるが、一定時間内の質・量を高めることは可能である。だから、僕は、生徒達に「自分に必要だと思う能力を高めろ。」と言っている。それをした人間としなかった人間には大きな差が生まれる。その差が出たら、もうその二人が得る結果は、同じではないことは明らかだ。そして、2時間掛かったものが1時間でできるようになれば、残りの1時間を更に練習しても良いし、趣味や娯楽に充てて、精神をリラックスさせてもいいし、他の事に熱中してもいい。更に言うと、能力の高い人ほど、練習を長時間でき、能力の低い人ほど、短い時間しか練習できない傾向にある。人間、できるものは苦痛には感じず、むしろ楽しく感じるし、できないことは苦痛に感じるものだから、この傾向はなるべくしてなるものだと思う。これは、能力が高い人ほど、更に能力を高めやすい環境に身を置くことができることを指している。もはや、時間は平等に与えられているとは言えないと僕が思う理由は、ここにある。そして、生徒達に「自分に必要だと思う能力を高めろ。」と言っている理由もここにある。

最初からできる人はいない。最初の辛抱は受け入れよう。

 本人のトレーニング次第では、限界はあるにせよ、同じ1時間でも、他人や過去の自分の2時間、3時間に匹敵するものにできる。勿論、最初は、できないし、時間も掛かる。これは能力が低い者が行うのだから仕方ないと考えるべきだ。自分が上手くなりたい、できるようになりたいと思う事に関しては、できなくても我慢や忍耐は必要だ。根気良く、続けて行くしかない。辛くて、厭で仕方がないことは、やらなくてよいと思うが、どうにかしたいと思うことなら、最初の辛抱は受け入れるしかない。僕は、忍耐とか我慢とか嫌いなのだが、好きな事、やりたい事のための我慢はやらなきゃならないと思っている。どうせ耐えなきゃならないなら、受け入れてしまった方が、後々楽ができるものなのだ。

若者の時間はゆっくり流れる。

 そして、中学生は大人に比べて時間がある。大人になると仕事、家事、人間関係等で、時間とエネルギーを取られてしまうことが増え、自分のやりたいことに多くの時間が使えなくなってしまう。日常が多忙になり、時間の流れが速く感じるようになってしまう。今の僕が感じる時間の流れの速さは、中学生、高校生の頃と比べてかなり速く感じる。中学生、高校生、大学生のときは、今よりも、もっとゆっくり流れて、勉強や好きなことに集中できた。若者の時間はゆっくりなのだ。その間で、好きな事、やりたい事、やらなくてはいけない事に、時間を使い、熱中して欲しい。実際、大人になって分かったことだが、日常の雑事の多くは周囲の大人たちが、子供のためにやっているのだ。子供は大きく成長することが分かているから、その成長のために大人は協力するのだ。だから、君達は成長しなくてはならない。自分に必要だと思う能力を高めて行くのだ。実際、人間が成長していく過程を見るのは面白いし、楽しいし、希望を感じるし、励みになる。君達の成長が、君達自身も、周囲の人々も幸せにするのだ。今は、とにかく、勉強に運動に遊びに、精一杯頑張って下さい。そして、その中で、今の自分に必要な能力を上げて行くことを考えて、誰かにアドバイスを求めたり、行動に移してください。

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