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ロシアのウクライナ侵攻

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ロシアのウクライナ侵攻

ロシアの侵攻

 ロシアがウクライナを侵攻している。数ヶ月前まで、プーチン大統領は、ウクライナを攻撃して侵攻するつもりはないと繰り返していた。しかし、2022年2月24日、ロシアは陸海空からウクライナ侵攻を一斉に開始した。たちまちウクライナ各地の空港や軍本部が攻撃された。ロシアから、ロシアが併合したクリミアから、そしてロシアの同盟国ベラルーシから、人口4400万人のヨーロッパの民主国家であるウクライナに対して、ロシアは陸海空から物量に物を言わせて攻撃している。その戦力差は兵士、戦車、戦闘機、潜水艦の数は10倍程の差があると言う。各地で都市でロシア軍の進軍にウクライナ軍、ウクライナ国民が抵抗して、ロシア軍が首都キエフに迫るのを防いでいるのが現状だ。これは戦争なので、悲しいことだが、死者の数は増え続けている。ロシアはこの攻撃を「戦争」とも「侵攻」とも呼ぼうとしない。

ロシアのプーチン大統領の主張とウクライナのゼレンスキー大統領の主張

噛み合わない互いの主張

 プーチン大統領は、平和を打ち砕いたと世界中から非難されているが、プーチン大統領の主張は、「ウクライナはロシアが安心して発展するためには脅威である。」ということだ。つまりプーチン大統領は、ウクライナを邪魔だと思っているのである。ウクライナが欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に入ろうとする動きに、強く反発したし、NATOが「我々の民族としての歴史的未来」を脅かしているとも非難した。その主張は、ロシアの歴史的背景、地理的状況、経済的状況を考えれば、理解できなくもないが、ウクライナに侵攻する正当な理由にはならない。自分の都合、自分の思想を他国に押し付け、それを事実とは異なることや整合性を伴わない理屈を述べ、自分を正当化しているようにしか見えない。プーチン大統領は「威圧され民族虐殺に遭っている人たちを守るため、ウクライナの非軍事化と非ナチス化を実現するのだ。」と述べ、それに対して「ウクライナで民族虐殺は起きていない。ウクライナは活発な民主国家で、大統領はユダヤ系だ。いったいどうやったら私がナチスだというのか?逆に、ロシアによる侵攻は第2次世界大戦のナチス・ドイツによる侵略に匹敵する」と、ゼレンスキー大統領は批判したという。

強権的なロシアに対する懸念

 ロシアがウクライナの大都市を制圧し、ウクライナで民主的に選ばれた政府を倒すつもりなのは今や明らかだ。ウクライナ国民は、ドイツのショルツ首相が「プーチンの戦争」と呼ぶこの侵攻に徹底抗戦を続け、兵士か民間人かを問わず、すでに数千人が犠牲になっている。数十万人がウクライナを脱出し、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、モルドヴァ、スロヴァキアなどに流入している。欧州連合(EU)は、700万人以上が家を追われる恐れがあるとしている。プーチン大統領は、もし西側が自分の邪魔をするなら「歴史上見たこともないような結果」に見舞われると警告し、ロシア軍の核抑止部隊に「特別警戒」を命令した。ヨーロッパ全体にとって、世界にとって、恐ろしいことである。ヨーロッパの主要国が隣国を侵略することなど、数十年なかったことだ。ゼレンスキー大統領は「ロシアは鉄のカーテンを再び閉めて、自分たちを文明世界から切り離そうとしている。ウクライナが、新しい鉄のカーテンに後ろに引きずり込まれるのを避けようとしている。」、フランスマクロン大統領は、「欧州の歴史にとって転換点だ。」ドイツのショルツ首相は、「プーチンが目指しているのは、ロシア帝国だ」と述べたという。ロシア国民の多くも、この戦争に納得しているわけではない。侵攻作戦を異論なしで承認したのは、国民をほとんど代表しない上院だったのである。その証拠に、ロシアでは大規模なデモが各地で起き、デモに参加した数千人が逮捕、拘束されている。

ロシアへの制裁

各国の経済制裁とスポーツでの制裁

 NATOはウクライナに戦闘部隊を派遣する予定はないと言っているが、代わりに、軍事顧問や武器を提供しているし、バルト三国とポーランドに部隊を配備し、即応部隊も動員している。更に、多くの国がロシアの経済と産業を標的に経済制裁を行っている。EU、アメリカ、イギリス、カナダ、そして日本も、ロシアの主な銀行を、「SWIFT」から排除した。SWIFTとは、国際銀行間の送金や決済に利用される安全、迅速なネットワーク等を提供する非営利法人のことである。EU、イギリス、アメリカ、カナダは、ロシア機の領空飛行を禁止、アメリカ、EU、イギリスはプーチン大統領とラヴロフ外相に資産凍結や渡航禁止などの制裁、EUは、ロシア議会の議員351人に制裁、ドイツ政府は、ロシアからの天然ガス輸送パイプラインのプロジェクト承認停止等々の経済的施策でロシアのウクライナ侵攻に対して実力行使をしている。その実力行使は、経済だけでなくスポーツ分野にも及んでいる。欧州サッカー連盟(UEFA)は、チャンピオンズリーグ(CL)決勝の会場を、サンクトペテルブルクからパリに変更し、自動車レースのF1は、ロシアGPを行わないことを決めた。他にも各競技の世界大会でロシア選手の出場を拒否している。

侵略戦争を認めるべきではない。

 政治とスポーツは切り離されるべきものであるという理由で、スポーツの世界まで、ロシアに制裁を加えることに疑問の声も挙がっている。僕個人の意見を述べると、国家間の体制、思想、歴史的背景、宗教、文化による諍いならば、経済、文化、スポーツ、芸能等に関する制裁を加えるべきではないと思う。しかし、今回はロシアの侵略である。これを世界が容認すべきではない。これを認めたら、力ある国が弱い国を蹂躙しても良いことになってしまう。可能性はほぼゼロであるが、もし仮に、ロシアが日本に攻めてきたら、抵抗もせずに降伏するのか?抵抗せずに領土を明け渡せば良い、命は助かると言う人もいるが、無条件降伏というのは占領された後、何をされも良いと言っているようなもので、自由や安全や人権を保障されるものではない。ましてや、ウクライナは歴史的に見ても、紛争が多い国で、旧ソビエトから独立した国であり、その旧ソビエトの支配下で憂き目を見た国である。ロシアの支配下になるなら、自由のために戦うと覚悟を決める人も多いだろう。ウクライナ国民が抵抗し、戦っている姿を見て、降伏した方が良いとそんな人達に言えるのだろうか?僕は、軽々しく、他国の者が言うべきではないと思う。戦いたくて戦争しているわけではないのだ。戦わざるを得ないから戦うのだ。日本としては、日本ができる範囲でウクライナを支援すべきである。

早期解決を願うが・・・

 この戦争は、ロシアにとっても、ウクライナにとっても勝っても負けても痛手を受けるだけのものだと思う。ロシア軍の苦戦、ウクライナ軍の戦果が報道されているが、首都キエフにロシア軍が迫っているのは事実だ。しかも、都市のインフラを破壊しながらだ。ウクライナが焦土となってしまえば、経済制裁を受けているロシアの経済力では、それを再生することも不可能で、結局、ロシアが勝っても、ロシア主導の再興は無理であろう。ましてや、ウクライナが焦土になることは、ウクライナ国民も、全世界も望んでいない。ロシアと同じ共産圏の中国でさえも望んでいないだろう。現在のところ、戦況的にも、外交的にも解決の糸口さえ見えない状況である。ロシアは、ウクライナが武装解除し非軍事化しなくてはならないと主張しているが、それはあり得ない。プーチン大統領以外、彼が自国民に及ぶ痛手を承知の上で、何を望んでいるのか説明できる人はいないだろう。だから、解決が見えないのだ。とにかく、早期の解決を願っている。長引け長引くほど、ロシアもウクライナも世界も苦しむことになる。

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