非金属元素④15族（窒素）

　窒素は、タンパク質の主要構成物質であるアミノ酸の重要な成分です。生物にとっては、炭素と同様、不可欠な元素です。N₂は大気中の約80％を占めますが、地殻中には、窒素化合物はほとんど存在しません。そこが炭素や酸素との大きな違いでもあります。大気中の窒素をどのように体内に取り入れるか？が生物にとっては、難しい課題なわけです。

　空気中のN2は窒素原子が三重結合で結ばれていて、安定な物質で、他の物質との反応性は非常に乏しいです。この反応性が低く、安定していることが、金属の製造、電子デバイスの被覆等に利用される原因ですが、それは逆に、大量にある大気中の窒素の利用が難しいことを示しています。そこで考えられたのが、ハーバー法です。窒素分子N2からアンモニアを作り出し、そのアンモニアをもとに窒素化合物を生成できるようにしたわけです。これにより、空気中の窒素を固定し、肥料を化学的に作り出すことに成功し、肥料危機を脱した歴史があります。

手書きの説明

次回も引き続き15族の窒素について説明します。

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