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第7号 愛国心

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「愛国心」なんて言う仰々しいタイトルで、恐縮である。ここでは、国防とか国策について述べることはしない。愛国心とは何なのか?少し思うところがあるので、私見を述べる。

 2019年の秋は、日本ではスポーツが盛り上がっている。ドーハの世界陸上、野球のプレミア12、サッカーW杯予選、ボクシングの井上尚弥選手(WBSS)等々、スポーツ好きの私にとっては大変有難いことである。その中でも、ラグビーW杯は、日本中を熱狂させた。日本対南アフリカ戦は、残念ながら日本の負けであったが、果敢に攻め込む選手達は、私達を大いに喜ばせてくれた。テレビの平均視聴率も40%超えと言うのだから、驚きである。それだけ、日本人が愛国心を感じて、日本代表を応援したわけである。勿論、私もその一人である。スポーツの世界戦では、当たり前だが、自国の代表をチームや代表選手を応援する人がほとんどである。「にわかファン」と呼ばれる人も一生懸命応援する。私は「にわかファン」を否定しない。寧ろ、好意的に思っている。これを切っ掛けとして、その競技に興味を持ってくれれば、大切なファンになってくれるからだ。かく言う私も、ラグビーのにわかファンである。でも、日本代表の試合は、にわかファンの私をも、大興奮させてくれた。

 ところで、ラグビー日本代表には日本人だけなく外国人選手もいることに違和感とは言わないまでも、不思議さを感じた人もいるだろう。ラグビーの場合は、他の多くのスポーツとは違い、国籍主義ではなく協会主義だと言う。日本という国の代表ではなく、日本協会の代表なのである。勿論、帰化して日本国籍を取得した選手もいるが、以下の条件のいずれかを満たせば、代表選手になれるチャンスがある。

 ①出生地が当該国である。

 ②両親および祖父母のうち一人が当該国出身である。

 ③当該国で3年以上、継続して居住している。

この条件の妥当性は色々と意見はあると思うが、ここでは触れない。それよりも、「一度日本代表になれば、他国の代表になることはできない。」ということに触れたい。これは、彼等からすれば日本代表になったからには、母国の代表になることはできないということになる。非常に大きな葛藤であることは、容易に想像できる。それでも、日本と言う国を愛して日本代表になってくれたのだから、外国人だからと排斥するのではなく、リスペクトして温かく迎え入れるべきであると私は思う。そして、ほとんどの日本人がそうしてくれた。正直、20年前とか30年前だったら、彼等はこのように歓迎されただろうか?そう考えてしまう。

 日本で生活している外国人はこの30年で2倍強になっている。交通手段、通信技術の脅威的な進歩、市場の国際的開放などにより、人と物と金の動きが活発化して、国境の意義が薄れてきた結果、グローバル化という現象が生じたからである。これから、グローバル化はもっと進み、日本の人口における外国人の割合の増加は加速するだろう。何故なら、日本人の人口は減少し、日本に流入する外国人は増加するからである。しかも、彼等の平均年齢は若い。もう、日本が単一民族であるとか、縄文系、弥生系とか言ってる場合ではない時代が、すぐそこにやって来ているのだろう。

 日本にやって来る外国人を歓迎すべきだが、日本やその土地の文化、古き良き風習が破壊されるようなことはあってはならないし、新たに入って来る外国人には、日本やその土地のことを学んで欲しいし、日本人もその外国人に教えて欲しい。そうやって、日本の伝統や文化を継承して行かなければならないと思う。勿論、この中で必ず衝突や混乱は生まれてしまうだろう。お互いが今まで生きて来た環境、接して来た文化や自然、地形条件、風土が違うのだから当然である。排他してしまっては、日本と言う国は成り立たなくなるのは目に見えている。どうにか、その混乱を乗り越えていくのが人間の知恵であろう。

 私は、日本と言う国に生まれて、育った。それだけで、愛国心というものが持てる。日本の技術力、経済力、日本人の教育水準の高さ、これらも日本人としての誇りである。良い国に生まれ育った。そう思う。日本人とは何か?愛国心とは何か?確たる絶対的な定義はないと思うが、この機会に、そこを考えてみては如何だろうか?

写真(上:鹿島神社 下:御朱印)

 

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