意識と無意識

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 ちょっと、勉強とは関係ない話から。

 ボーリングと言うスポーツですが、どうも、このスポーツを僕は苦手としている。嫌いではない。だけど、毎回毎回、投げる度に、球の軌道が異なる。要は、フォームや手首の角度、腕の振り方が、安定していないので再現性がないわけですよ。まあ、プロではないから、それはそれで良いと思っているわけね。で、狙いを定めるためにレーンの手前側に三角形があるよね。調べてみたら、「スパット」と言うらしい。小中学生のうちは、ボーリングなんてほとんどやったことがなかった。でも、大学生になると、コンパとかクラス会とかで、そこそこボーリングをする機会が増えた。一応、そのスパットを目印にして投げるわけですよ。でも、全部、左側のガータ。スパットを見ずに、ピンを目掛けて投げると、まあまあ当たる。たまに、ストライクなんかも取れたりする。運が良ければ、ターキーもね。まあ、最初に言ったように、安定していないから、スコア自体は大したもんじゃない。

 当時の僕は、どうして、スパットを目標にすると外れ、ピンを目標とすると当たるのか?意識もせずに、やっていた。まあ、ボーリングは僕にとって、たまにやる娯楽で、スコアを上げたいとか思ってなかったから、そのことを意識したり、考えたりはしなかった。で、ある時、その理由に気が付いたわけですよ。切っ掛けは、若手だった松井秀喜選手が、左投手を苦手にしていたこと。特に、ヤクルトスワローズの石井一久投手(現楽天イーグルスGM)。デビューして最初の6年間は、打率.146。これは目も当てられない数字だ。野球好きの僕は、一応、考えてみた。左打者が左投手を苦手にするのは、一般的な傾向ではある。何故か?右投手と球の軌道の角度が違うから。腕の長さの分だけ、右投手ならバッターから見たら左側から、左投手なら右側から、球が投げ出されることになる。投手の身長や腕の長さ、角度、プレートに立つ位置、球速、変化球の曲がり具合、等々あるけど、球の出所の違いによる軌道の角度、これが大きな要因である。何故だかわからんけど、これがボーリングとリンクした。以下に、それを説明するね。

 僕は、ボーリングのボールを投げる場所を間違っていたの。ボールが手から離れる位置の認識を間違っていた。自分の身体の中心をレーンの中央に置いて、真ん中のスパットを狙っていたわけ。そりゃ、全部、左側に行きますよ。自分の肩幅や、右腕が付いている位置を無視していたから。これは理屈を知らなくて、無意識に間違いを犯していたことになる。仮に、右腕、右肩が身体の真ん中にあれば、これは、間違った無意識にならないわけですよ。でも、実際、右腕は、身体の中心にあるわけではなく、20cmくらい右側にある。要は、自分から見て、20cm右側から真ん中のスパットを目掛けて投げたら、スパットを過ぎた後、左側にボールが行くという当然の理屈が、頭から抜けていた。まあ、アホと言えばアホなんだけどね。

 それに気付いて、ボーリングを練習したわけではないけど、次の機会からは、自分の球の軌道の癖と右腕や右手が身体の真ん中にはないと言うことを意識して投げましたよ。相変わらず、フォーム自体が安定してないから、投げた球の軌道が毎回違うけど、たまにのストライクとそこそこのスペアを取れるようになった。正しい認識を、意識することは良い結果を生みやすい。逆に、間違った認識を無意識にすることは失敗しやすいし、修正しにくい。と言うことも、実感できた。

 何気ないことを例にあげたけど、意外と、こういう当然のことを正確に理解できていないことは多い。そして、正しく理解せず、間違った認識を無意識にしてしまっていることも多くあったりする。意識して、正しい理解を試みるのは、勉強でも絶対に必要なこと。最初は、意識することです。「今日、習ったことはこれだ!」「習ったことをこういう風に使っているのね!」と意識する人と、しない人では、身に付くものが全く違う。例えば、英語の三単現のS、あれ、何度やっても、忘れる生徒って、結構多いのね。「その文の主語は何?現在形?過去形?」って聞くと、「あっ」と気付くことの多いこと。それは、意識してるかしてないか?ってレベルの話です。意識することで、修正されるなら、意識すれば良いだけの話。意識してたけど、気付かなかったのなら、これは仕方ないことだよ。でもね、意識することで、段々、気付きますよ。この意識するという行為を続けることによって、そのことが出来るようになると、簡単なことなら、無意識でも出来るようになりますよ。無意識でできるレベルになれば、それはもう、確実に身に付いたということですよ。

 理屈や理由をきちんと理解して、出来ないことを意識して出来るようにして行く。出来ても、意識することを続ける。そのうち、無意識で出来るようになります。機械の使い方とか、まさに、これですよ。僕は、カメラが趣味だけど、まず、説明書を見ながら、カメラを弄る。「こういうときは、こう操作する。」と意識する。そうしてるうちに、操作方法を覚えますよ。「え~っと、何だっけかな?」なんて考えなくても、目的に合わせて、カメラのボタンやダイヤルを弄れるようになりますよ。カメラの操作くらいなら、大したことではないけど、複雑なものは、そうなるまで時間は掛かるよ。数年かもしれないし、数十年かもしれない。でも、何事も、正しく認識して、意識付けをしながら、行動するのは大切なことだと思うよ。「意識する」これを意識してみて下さいね。

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