香港デモについて

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 香港デモについて、小学生高学年から中学生に向けて、僕が思うことを書きたいと思う。

 香港という場所は、中国の中でも特殊な場所だと思う。歴史で学ぶことだけど、アヘン戦争(1840~42年)で中国がイギリスに負けて、香港をイギリスに渡したわけなのね。それから150年くらい経って、香港が中国に返されたのが1997年。今から22年前なのね。そのとき、50年間は、香港では資本主義を採用し、社会主義の中国と異なる制度を維持することを中国とイギリスで約束したわけなのね。

 資本主義とか社会主義とか難しい言葉を使ったけど、「資本=お金や物」と思えばいいよ。お金や物は誰かのもので、必ず所有者がいる。その所有者はそのお金を自由に使える。そのお金を元手にして、自由に商売できるのが資本主義なのね。日本は資本主義で、日本の会社には、必ず社長さん(経営者)がいて、その人が会社で働く人達にお給料を出しているわけです。その給料だけど、一生懸命働いて、働いた分だけ貰えると言う実力次第なのが資本主義。それに対して、社会主義というのは、お金や物は、みんなのもので、平等に分け合おうっていうことなのね。だから、会社は全て国のものなので、働いた分はいったん国に預けて、平等に分け合うの。自由に商売ができないけど、給料は一生懸命働いても、さぼっても皆同じ分だけ貰えるのが社会主義。頑張って実力を付けないとヤバイのが資本主義で、実力なんかあってもなくてもみんな同じなのが社会主義と考えてくれてもいい。どちらも、良いところ、悪いところはあるけど。今、香港では、日本やアメリカと同様に、資本主義を採用している。

 じゃあ、話を戻すね。22年前の約束で、香港は「高度な自治」が認められたわけ。ひとつの国にふたつの制度がある、一国二制度なる状態である特殊な場所が香港なの。香港の憲法にあたる香港基本法には、中国本土では制約されている言論・報道・出版の自由、集会やデモの自由、信仰の自由などが明記されているわけです。では、何故、香港で、デモが起きて、デモ隊と中国の国家権力である警察が衝突して、戦場と化しているのか?簡単に言うと、香港の人達が、自分たちの自由を求めて、自由のために戦っているからです。中国という国としては、みんなが平等であるべきという考えなので、自分の自由を求める人達とは、考え方が合わないわけです。それが激化してしまったのが現状です。

 僕は、デモを起こして、自由を主張する人を悪いとは思わないよ。ただ、そのデモが過激になってしまったのは事実だし、多くの人に迷惑をかけてしまった。しかし、それ以上に、デモを鎮めるための警察の行動は、暴力行使であると思う。その警察の暴力がデモをする人達の、中国や警察に対する不信感を深め、彼等をより攻撃的にさせてしまった。だから、お互い、容赦のない暴力を繰り返すことになってしまった。中国や香港の警察は、僕から見ても、治安を守るためとは言え、行き過ぎだと思う。

 デモ隊にとっては、そんな過酷な状況の中で、彼らは、自由と自分たちの自治は命をかけても守るべきだと考えたわけですよ。香港のデモが日本での日常生活に大きな影響は与えないかもしれない。でも、歴史的に自由と言うのは、先人達が、支配との戦いの中で血を流して、時には、命を失って、勝ち取ったものなの。自分の考えで行動する。自分で自分のすることを決められる。当然のことに感じるかもしれないけど、自由がある、自分の意志で決められるということは、本当に尊いことなの。僕たちは、そういう有り難い場所で生活しているとわかって欲しいのね。

 僕たちができる香港の人たちを助ける方法はないのかもしれないけど、どうにか、この騒動は、デモを起こした人がある程度は納得できる形で、中国側に譲歩して欲しいと思う。そして、自由と言うものが何なのか?少しで良いから考えてみてね。釘を刺しておくけど、周りの迷惑も省みずに、好き勝手、やりたい放題が自由ではないからね。自由は、君にもあれば、僕にもあって、誰でもあるものなので、誰の自由も奪ったりしてはいけないからね。

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