効率と優しさ

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今回は、小学生高学年や中学生向けの内容です。「効率と優しさ」について

 前回のタイトルが「大学入試共通テスト記述式見送りについて」と、大学入試を考えている高校生、若しくはそれ以上の年齢層に向けての記事だったので、今回は、小学生高学年や中学生向けに記事を書きたいと思う。前に、「質と量」と言うタイトルで書いたことがあるが、その話は個人の能力のこと、一人や少人数で練習する場合についてのことを話した。今回は、ちょっと視点をずらして、団体やグループやチーム、社会全体での視野で「効率の良さ」を考えてみたい。

 個人の効率と全体の効率は違うもの

 とかく現代は、効率性を人々は求めている。それは、悪いことではない。無駄を省いて、短時間で物事を成すのは、僕も大切なことだと思う。何故なら、余った時間で、他にやりたい事、仕事以外の事、好きな事、更には、もっとレベルの高い事もできるからだ。こういう個人的なことに関しては、質と量を両方を求めて、効率性をそれぞれが高めていくべきだと思う。当然、高い能力レベルに辿り着くには、時間も労力も掛かるし、一直線でそのレベルに到達できるわけでもない、壁に当りもすれば、挫折もするし、試行錯誤の繰り返しだ。遠回りに思えることも、後の自分の財産になるので、最短距離で辿り着く必要はない。只、今の自分の出来る範囲の事で、物事を効率良く行うことができるか?とか、どうすれば、楽に簡単にできるか?というのは考えてみるべきだと思う。手を抜くと言うことではなく、もっと色々な事をするための方法だと思ってね。今回は、そういう個人で何とかなるものではなく、自分の能力だけではどうにもならない複数の人が集まる場を考えてみたい。

 野球と言うチームスポーツで具体例を

 僕は、野球が好きなので、野球というスポーツを例にして話して行こう。チームスポーツは「個人の能力=チームの強さ」とはならない。例えば、もの凄い球を投げるピッチャーがいるとする。この球を捕れるキャッチャーがいないと、ピッチャーは全力で投げることができない。それでは、試合で勝つのは難しいよね。もし、試合に負けたら、全力の投球を捕れないキャッチャーの責任にする?そんなことしてたら、誰もキャッチャーなんてやりたがらないよ。そうなったら、チームは成り立たなくなる。では、どうするべきか?そこを考えるのがチームと言うものだ。こういう場合なら、時間は掛ってもキャッチャーが球を捕れるように練習すれば良い。ピッチャーも毎日でなくても、時には、キャッチャーの練習に付き合ってあげて、アドバイスをしてあげれば良い。そういう優しさを以って、ピッチャーはキャッチャーに接するべきだと思う。

 では、そのキャッチャーが成長して、ピッチャーの球を捕れるようになったとしよう。その状態で、そのチームは強いか?というと、実はそうではない。ピッチャーとキャッチャー以外のポジションの人達の守備が下手クソで、エラーばかりしているようでは試合には勝てない。ピッチャーは野手に向かって「お前たちが下手だから勝てない。」と言い、野手はピッチャーに向かって「じゃあ、全部三振取れよ。」と悪態をついてみたり、「俺達が下手クソで迷惑かけて悪い。ごめん。」と恐縮しているようなチームは、良いチームだと思うかい?そのチームは将来、強くなって行くと思う?そこにはお互いを想う優しさがないよね。チーム全体が上手くなって行こうという気持ちがないよね。では、チームを強くするには、野手は守備練習をして上手くなれば良いよね。お互いが優しさと厳しさを以って、練習して行かなければチームは強くならない。ピッチャーは、キャッチャーや野手の文句ばかり言ってたら、「お前が投げるなら、俺達は守備につかない。」と言われてしまうし、言われなくても、そう思われてしまう。野手に「お前の足を引っ張らないように練習するし、少しでも役に立つ様に頑張るよ。」と思われてこそエースだよ。こういう場合、ピッチャーは我慢すべき事が多いけど、能力が高い者に「相手に対する優しさ」を求められるのは仕方ないことだと思う。この優しさが無ければ、チームは崩壊してしまうから。勿論、野手もチームのために自分が上手くなって行かないとダメだよ。このケースの過程は、効率が悪いと思うかもしれないけど、実はチーム全員が活きるための方法としては、効率が良いことだよ。

難しいけど、社会全体のお話

 このことは、社会全体でも言えることだと思う。人々が生活して行くためには、色々な仕事があって、誰かが何かの仕事している。その仕事も出来る人と出来ない人がいる。これは事実だ。仕事が出来ない人を効率や生産性が悪いと言って、仕事が出来る人が「自分がやった方が速い。」と言い出し、仕事の出来ない人に仕事をさせなかったら、仕事が出来る人は余計に仕事をしなければならなくなる。これって、大変だよね。どんどん仕事が出来ない人を辞めさせて行ったら、能力の高い人の仕事の量は、とんでもないことになって、その人でもやるのが不可能になる。そうなったら、社会は成り立たないよ。そうならないためには、仕事が出来ない人に、仕事が出来る人が、仕事のやり方を教えればいいし、その人が出来る自分の仕事を分けてあげれば良い。みんなが仕事を分け合って、全員の能力を活かせるようにすれば良い。そのためには、仕事が出来る人には、優しさが必要だ。その優しさが社会全体の効率の良さを作り出すから。

まとめ。教えるときは相手に優しく。教わるときは自分に厳しく。

 社会全体や世の中のことは、難しいとは思うけど、君達に言いたいことをまとめるよ。お友達が、何かが苦手なことがあって、そのことを頑張っている。でも、なかなか上手く出来ないとき、茶化したり、馬鹿にしたりしないで、出来るように手伝ってあげてみて。一緒に練習をしてあげてみて。そういう優しさは、いつか必ず自分にも返って来る。自分だって、全てのことが上手く出来るわけではないよね?得意なこともあれば、苦手なこともあるよね。相手に教えるときは相手に優しく、教わるときは自分に厳しくしてみて。「優しさ」というのは、なかなか難しくて、何も相手の言う事を全部聴き入れてあげることではないよ。出来るように、時には厳しく接するのも優しさだから。かと言って、ずっと厳しいのも、相手にとっては辛いよね。とにかく、出来る人は、優しさを持つ。出来ない人は、出来る人の優しさに甘え過ぎないで、自分に厳しさを求める。みんなで何かを目指して上手くなりたいときは、この優しさが全体の効率を高めてくれますから。是非とも、そうして下さい。

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