気力の維持

カテゴリ

気力を持続させるのは難しい。 

 今回は、中学生・高校生に向けての話です。 

僕も、「三日坊主」を何度も繰り返している。

 「三日坊主」嫌な言葉である。僕も、何度もこれに陥ったことがある。特に、中学時代、高校時代は、自分で決めたのに、続けられなかったことが多々あった。やらなくてはならないことは理解しているが、どうにも気力が持続できないことも沢山あった。勉強の話で言うと、高校時代、1.2年生のときは、全く勉強に対してやる気が湧かなかった。今から思えば、簡単に言うと、「現状や未来に対する無理解と無知」の一言に尽きる。必要が無いと判断しているからだ。

「無理解と無知」は救い難い 

 当時、親も学校の教師達も、僕に「勉強しなさい。」とは言わなかった。馬鹿な僕は、だから、勉強なんかする必要ないと思っていた。一応、進学校に在籍していたわけだけど、進学校は学力の低い生徒は相手にしない傾向がある。当時は、今よりそれが顕著で、授業では、僕は存在しない者として扱われた。教師が席順に、生徒に答えさせるとき、僕の番だけ飛ばされたことも頻繁にあった。今なら、人権問題になるかもしれない。それはともかく、そういう状況が、「勉強なんかしなくても良い。しなくても、将来、何とかなる。高校は進学校に入れたのだから、大学だって地元の国立か、MARCHくらい受かるだろう。だって、先生達だって、大したことないのに受かったわけだし。俺だって受かるさ。」と愚鈍な僕に思わせた。思わせたと表現するのは間違いで、救いようのないダメ人間だった僕が、勝手に間違った解釈をしただけだ。どう考えても、この考えはあり得ない。国立大学やMARCHレベルに受かるには、旧帝大や早稲田慶応などの難関私立と比較すれば安易ではあるが、(学部学科によっては、早稲田慶応よりも難しい場合もある。)、どれだけの勉強量と知識量が必要かなんてわかっていなかった。全国模試の偏差値が10どころではなく、20も30も足らなくても、何とかなると思っていたのである。その差を埋めるには、何をすべきか?とか、どうやって勉強を進めて行くのか?とか、全く考えていなかった。まさに、現状に対する無理解と無知だ。だから、何も考えない。考えられない。今思えば、恥ずかしい限りだ。救いようがないと自分でも思う。そして、大学を受かった先生達がどれだけの事をして来たかも知らない。わかっていない。無理解で無知だから、想像力もないのだ。本当に、嘆かわしい。現状が見えていないから、未来なんか見えるはずがない。当時の僕は、人間としてダメだった。落伍者だったし、救われない人間だった。勿論、偶に説教してくれた先生もいたけど、そういう自分に向けられた救いの手を全て無視していた。

僕の「救世主」 

高3の担任が僕を変えた! でも、その理由は「怒り」

 いくら当時の僕が馬鹿でも、「そろそろ勉強しないとな。」とは思っていた。でも、「三日坊主」なのである。気力を出しても、それが維持できなかった。でも、「何とかなるさ。」と無知過ぎた僕は疑いなく思っていた。そんな状況の中、高校3年生の春、僕にとっての救世主が現れた。当時の担任である。4月か5月の二者面談で、ボロクソに言われたのだ。「お前、今の偏差値いくつだ?5教科7科目で35!?40も行っていないなんて、行ける大学なんか一つもないぞ。第一志望が新潟大学?お前、偏差値20以上足らないぞ!絶対無理だ。1日25時間勉強したって無理だよ。」と言われた。「そんなにボロカス言わなくてもいいだろう?何だよ、1日25時間って!24時間しかないのに、25時間できるわけないじゃん!」と心の中で怒った。流石に、高校3年生の当時17歳の僕が、面と向かって大人に意見は出来なかったけど、それが僕の受験勉強に対する気力の維持の源となった。振り返れば、情けない話で、他人に対する憎しみが気力の根源とは呆れたしまう。でも、「絶対、アイツを見返してやる!見てろよ!!」と闘志を持ち続けられたのは、きっかけは何とも低レベルであるが、良かったと思う。それから、1日10時間勉強した。正直、最初の1ヶ月は辛かった。学力もない、知識もないから、勉強が進まないのだ。それでも、「担任を見返す!俺を否定したアイツに認めさせてやる!」の一心で、心が折れそうになっても、「ここで辞めたら、本当の負け犬だ。そうなったら、アイツの思った通りになってしまう。」と無理をして頑張った。

自分の行動が主体性を持つと、他人へのくだらない感情は消える 

 1ヶ月が過ぎると、勉強することに慣れて来た。2ヶ月を過ぎると、英語の長文1ページ訳すのに3時間以上掛っていたのが、2時間くらいで出来るようになった。他の教科も、倍程度のスピードでこなせるようになった。倍のスピードなら、同じ時間なら、単純に2倍の勉強量になるのだ。3ヶ月、4ヶ月すると、学習効果を感じられ、自分の実力が伸びているのを感じられるようになった。そうなると、受験勉強も苦にならなくなって来た。むしろ、勉強していないと不安だった。模試の結果も、4月に35だったのが、5月・6月で40程度、7月に45くらい、夏休みの8月で50程度、9月は55、そして、10月は65、最終的には70を超えた。自分がやっていることに自信が持てる様になった。一方、僕の担任に対する憎しみは、成績向上と伴に消えていた。確かに、1学期中くらいまでは、それが闘志を燃やす燃料だった。でも、計画を立て勉強して、勉強しながら、もっとこうした方が良いとか、自分で計画を立て直して、自分なりに受験勉強に真剣に取り組んでいるうちに、そんなくだらない感情は消えた。

余談だが…。自分が変わると、周囲も変わる。 

 余談ではあるが、授業中、無視されていた僕は、秋頃から、優等生扱いになった。春は、教師に挨拶しても、無視されていたような存在だったのに、秋以降は、教師の方から、僕に話しかけてくるようになった。「人間、こんなに掌返しが出来るものなのか!手首ねじ切れちゃうぞ!」と思ったものだ。当時の担任は、このことを覚えてはいないと思うけど、今では、いや、高3の秋から、ずっと恩人だと思っている。あの人が、あの時、僕を叱咤激励してくれなかったら、僕は、今どうなっていたのか?考えただけで、恐ろしいことだ。

気力の維持は、「ひと踏ん張り」が生む。 

 受験勉強だけでなく、何かをするとき、気力の維持は不可欠である。「面倒だ!嫌だなあ!」と思ってしまう。そこで、ひと踏ん張り、ひと我慢できるか?が大切だ。大きな頑張りでなくても良い。少しの気力を出して、そのことをやってしまう、そして、続けることが、最終的には、大きな効果、成功を導くのだと思う。「継続は力なり」とは、自分の気力を維持できるか、どうか?であり、結果は、おまけみたいなものだと思う。勿論、結果を出し易い方法を考え、実践することは、やらなくてはいけない。しかし、それよりも、その上で、続ける気力の方が大切だと思し、難しいと思う。

自分の心や体と相談して、自分に刺激を与えよう。 

刺激を与えれば、呼応する。その呼応が、気力の維持につながる。 

 「三日坊主」ではなく、物事を続けることは、大変なことだ。人間、皆、怠けたがる。楽をしたがる。これは、ある程度、仕方ないことだ。何故なら、ずっと頑張るのは、体力的にも物理的にも精神的にも不可能だし、休むことによって、体力が回復し、精神的にもリフレッシュし、良いパフォーマンスや良い仕事をし、良い結果を導くことも多々ある。心技体を鍛えて整えるにも、休息は不可欠である。しかし、ずっと休んでいると、人間と言うのものは、忘れるし、衰えるし、能力が下がる。機械でも、そうだが、頭も体も技術も錆びるのだ。加齢とともに、過去に出来たものが、出来なくなるのは、自然の流れだが、それでも、新たな能力は育つものだ。記憶力や集中力、体力は、10代、20代のときに比べれば、格段に落ちた。だが、経験による創造力、アイデアを出す力、洞察力は、遥かに若い頃より上回っている。刺激を与えれば、人間はそれに呼応する。その呼応こそが、成長だと思う。だから、気力を持って、自分が興味あるもの、やりたいもの、やらなければならないものにチャレンジして欲しい。その結果が、なかなか出なくても、そのことを続けることが大切だ。結果をすぐに求めてはいけない。只、方向性を間違えたと感じたら、すぐに軌道修正はした方が良い。努力は大切だが、方向性が違ったら、無為になってしまう。正しいと思って始めたことが、間違いであると気付いたら、どつぼにはまる前に、それを止めるべきだし、やはり、良い方向に行くように、いつも柔軟に考えて、実行する勇気を持つべきだ。どんなことでも、気力を維持して続けるためには、ほんのひと踏ん張りを出せるか、出せないかの、僅かな差だと思う。

嫌になることもあるけど、そこで「ひと踏ん張り」 

 因みに、以下の記事で、今年の目標を立てたが、やっぱり、続けるのは、嫌になるのですよ。でも、自分の体調と体力を考えて、少しの無理をしている。休む日もあるけど、続けている。僕は、決して真面目な性格ではないし、根気がある人間でもない。でも、気力を出せると言うのは、嬉しいことだ。病気や置かれた環境で、気力を出したくても、出せない人もいる。自分が、何かに興味を持って、何かをしたくて、何かをしなくてはならないなとき、もし、嫌気が差したら、ちょっとだけひと踏ん張りして、気力を出して、やってみると良いと思う。そこに喜びや楽しみを見出せるし、「自分は頑張れるんだ!」と、少しだけど、自分に自信が持てるようになるはずだから。

新年を迎えて

富岡市の総合学習塾
トータルアカデミー
total-academy.net


〒370-2344
群馬県富岡市黒川1807-16
TEL:0274-63-8132

お問い合わせはこちら